◇ 左螺子式 ◇

もう今は、辞めてしまったが会社の後輩でOという奴がいた。

注・ちょっとアダルティな話です。

Oは、山あいの町から会社に通ってくる奴で、性格が
素朴で、文句は言うが仕事は一生懸命やるタイプで
好感が持てた。

歳はちょっと離れているが、それでも一番近い先輩の私に
何かにつけ、よく話をしてきた。

社会人になり、規則というたがが外れたのが余程うれしいのか、
週末の帰り頃になると私の所に来て、連れてけ、連れてけ、言うのだ。

どこに連れてけって？

いかがわしい店に連れてけと、うるさいのだ。

私は、酒が飲めないので一人でも仲間とでも夜の街に繰り出す、
ということがあまり無いのである。

もちろん、いかがわしい店にも行ったことがない。

行ったことがない店に先輩面して連れては行けない。

どうしよう？

Oは、毎週々々私を誘う。→一人で行けよ！

考えた挙句、隣街のストリップはどうだ？と提案した。

ストリップなら見るだけだし問題なかろう。

Oは、大いに喜んだ。(単純な奴)

ここからは、未成年者は片目で読んで下さい。

会社の駐車場にOの車を置いて、私の車で隣街へ行く。

目当ての劇場に到着した。Oは落ち着きがない様子。

それなりに興奮しているようだ。

お金を払ってホールに入る。

おお、踊り子さんが踊ってるぞ！←当たり前

ひとり20分くらいの持ち時間でショーをする。

数人いる踊り子さんが、ローテーションしていくのだ。

Oの目は暗闇の中、ランランと輝いている。

ある踊り子さんがポラロイドショーというのをやった。

お客に渡したポラロイドカメラで、あんなとこやこんなとこを
撮らせ、一枚1,000円？で売るのだ。

これの売上げは踊り子さんのチップになるようで、それとなく
必死の売込みが始まった。

ふと、隣に座るOを見ると、目が合ってしまった。

不適に笑っている。

こいつ、やるつもりだな。

「○○さんもやりましょうよ！」早速、言ってきた。

「オレは、いいからオマエやって来い」

「恥ずかしいっすよぉ〜」

何が、恥ずかしいものか、ここに居る連中の気持ちは
ひとつだろーよ。何を今さら…。

うまく諭して、踊り子さんの方にOを向かわせる。

ぎこちないやり取りを見ていると、踊り子さんにからかわれて
いるようだ。

恥ずかしいと言いながら、やることはやってきたようだ。

大胆な写真を撮って満悦したOであった。

後日、この写真が問題を起こすことも知らずに…。

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