赤いは 気持ち悪い

manbow

2010年11月25日 19:06

先日、インドネシア研修生のK君と話す機会があった。

インドネシアからの研修生たちは、みんな高校を卒業した
くらいの年齢で、どの子もひじょうに優秀である。
こちらに来る前に日本語の勉強を数年してきており、来日
したときのほんの短い期間だけ通訳がつくが、あとは我々
とカタコトながら日常の会話くらいなら出来る。

来日してからも、何かにつけ勉強熱心なのが、私が大いに
感心するところだったりする。

彼らは、和英辞典ならぬ和インドネシア辞典というのを
持っていて、日本語をローマ字読みで検索するのだ。

特にK君は、辞典をいつも大切に持っていて日々の勉強に
一段と熱意を感じる。

そんなK君が辞典を引いてる時に出くわした。

「K君、なに、調べてる?」

「赤いはば、です」

「はば? はばってなんだ?」

「こうえんにある、赤いはば、です」

「ん? 赤い葉っぱ、ってこと?」

「そうです、赤いはっぱ、です」

「ああ、あれは、こうようっていうんだよ」

「こーよー? ですか?」

そこで、辞典を貸してもらい「K」項目を調べてみた。

「koyo」があればインドネシア訳があるので、話が早いから。

ところが、どこにも「こうよう」がない。

この辞典は例えば、「kokorozuke 心付け」なんて語句が
載ってるくらいだから、そこそこ詳細なのだけど。

そもそも、何でアレを調べようと思ったのか、聞いてみると、
インドネシアには紅葉、つまり赤くなる葉っぱがなく、どうも
日本に来て初めて見たらしい。

「日本人は、あの葉っぱ、紅葉が大好きなんだよ」というと、
K君は驚いた顔をして言った。

「赤い葉っぱは、気持ち悪い」

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