今回のモデルチェンジでインプは、3グレードとなっている。
1500のDOHC(FF)と2000SOHC、2000DOHCターボ(共に4WD)。
一番大きなトピックは、「WRX」という看板グレードを廃したことだ。
比較的マニア寄りだったインプレッサという車を、普通の人にも買って
もらえるように、間口を広げたいスバルの意向が伺える。
乗ってみたのは、1500(4AT)と2000ターボ(5MT)の2種のグレード。
最廉価バージョンとトップグレードになる。
ボディサイズは共通となるが、全幅1740ミリの3ナンバーになったのが、
凶と出るか吉と出るか。確かに運転席からは助手席のドアは手が届かない。
セールス氏によると車内寸法で、9センチ広がっているそうだ。
まず、1500の方。 これは試乗車が、4ATのFFだった。
スバルとしては、広く量販したいグレードと思われる。
車内の空調関係の操作ボタンが、いい。
飾り気もなく、非常にシンプル。マダムも大いに気に入ったようだった。
タイヤは195/65/15。 車重が1260キロなので、車格から言うと妥当なセン。
このモデルはエンジンの非力感が、どうしてもつきまとう。
最近は小排気量の車はCVTと組み合わすことが多く、転がり出しでも
結構なトルク感があったりするのだが、普通の4ATだとイマイチもっさり
する感じがある。走ってしまえば、気にならないのだけど。
個人的にこの1500のユニットは興味があるのだが、多くのボディを用意
できないスバルにとって、3ナンバーのインプにしか載せられないのは、
もったいないと思っている。1000キロ台のボディで5MT(FF)で駆れば、
そこそこ面白いんじゃないかと思うな。1260キロじゃ、やっぱり重い。
次は2000ターボに乗ってみた。
(従来モデルと比べて)非常に静か。インプらしくない(笑)
アクセルを少し煽ると、車体が横に揺れるので「ああ、縦置きのボクサーだ」
とわかるくらい。
この試乗はセールス氏が同乗したので、まぁ普通に走った。
ハンドルが軽いし、よく切れる。車幅が広がったせいでフロントのサス周りに
余裕ができたそうな、なるほど。
乗ったときは知らなかったがカタログを見ると、ツインスクロールターボと
なっていた。どうりで滑らかだと思ったわけだ。静かだし、滑らかだし、
確かに一般ウケしそうな感じ、「ドコドコ」言わないし。
タイヤは205/50/17を履いていたが、これはオプションらしく205/55/16が
標準仕様となっているようだ。インプのトップグレードでこのサイズが標準
ということなら、(4WD制御ということもあるだろうが)新ボディの出来に
自信があるんだろうな、とちょっと思った。タイヤサイズだけ大きい車は、
私はあまり好きじゃない。こういうところは、スバルの良心だと思う。
あと、MTの操作感が軽快というか、軽すぎるというか、ちょっとびっくり。
シンクロをいじってるようだけど、マダムのGFと比べると普通のFFと思える
くらいの軽さだった。
メーターはイグニッションONで、各指針が一斉に振り切れるギミックが
ついていた。赤い照明の文字盤は、ライトONにしても減光しないタイプだった
のだが、夜間は眩しくないのだろうか。(照度調節がついているのかも)
一点、どうしても気になったのがドライビングポジション。
シート、ペダル、シフトの位置が、私の体ではどうもしっくりこない。
シートはリフターがついてるタイプだったが、どの位置にしてもペダル操作に
ちょっと違和感が残る。(長距離だと疲れそうなイメージ)シートを一番下に
下げると、今度はシフト位置が高いような気がするし。
短時間の試乗でだったので、あれこれ調べられなかったのだが、ドラポジが
気にくわないというのは、この手の車では初めて感じたな。
この2グレード、車重にして100キロ、価格にして100万円の差がある。
セールス氏によれば、1500グレードがボチボチ出てるそうだ。