まぶしすぎる あなた

manbow

2003年11月25日 00:00

ある夜、例の女史の運転する車の助手席に
私が乗っていたときの話です。
女史の運転する車に乗るのは、はっきり言って
気のりはしない。

私は、もともと他人の運転する車に乗るのは
好きではない。

信用していないわけでは無いが、どうも、落ち着かないし
リラックスして乗っておれない性分なのだ。

助手席から、つい、「あ、危ない!」とか「確認した?」
とか「あそこに歩行者が居るぞ!」とか、言ってしまい
ヒンシュクを買うのだ。

女史については、その点、自分の技量をよくわかって
おられるようで、絶対的スピードが遅いのが救いだ。

ただ、遅いのはいいのだがマイペースなので後続の
車がいる場合は、ちょっとヤキモキする。

話を戻すと、その夜は比較的交通量の少ない道を
女史は、やはりマイペースで走っていた。

私はおとなしく乗っていたのだが、前方がやけに
明るいので、おやっ と思いインパネのメーターを横から
覗くとヘッドライトが「ハイビーム」になっていた。

対向車は、なかなか来ないので「まあ、いいか」と
思っていた。(私は市街地ではハイビームは、ほとんど
使わない)

しばらくすると、遠方に対向車のライトが見えてきた。

だんだん、近付いてくる。

そろそろ、ロービームに切り替えた方がいいんじゃ…
と思ったが黙っていた。

さらに近付く対向車。

女史に、ライトを切り替え操作する気配は無い。

そして、とうとう、すれ違っちゃったよ。

アレ?

もしかして、ハイビームになっていることに
気づいてないのかな?

この人なら当然、ありえる。

私は、やっと口を開いて「ハイビームだよ」と告げた。

「知ってる」と女史。

ええっ!知ってるって?

この人は、ハイビームだと知ってて対向車の迷惑も
省みず、ロービームに切り替えなかった というのか?

だめ、じゃん!

私が、その件について尋ねると「だって、見やすいから」
などと、しれっと言う。

さらに問いただすと、この人は、また、おかしなことを
おっしゃられた。

言い分をまとめると、こうだ。

ハイビーム、ロービームは各人が好みで使い分ける
もので、視力の良い悪い、はたまた、その日の気分に
よっても使い分け可能なもの らしいそうだ。

女史の場合は、遠方も見渡せる という理由で常に
「ハイビーム」ですが、なにか?状態だというのだ。

もちろん、それは明らかに間違いなので真実を
お教えしましたが、世が世なら刃傷沙汰ものですよ。

「対向車がハイビームでまぶしいとき、な〜い?」
と尋ねたら、そういう車はライトの違法改造を
している輩だと思っていたそうだ。

こういうことも、自動車学校じゃ教えないだろうな。

だって、夜間講習しない人はヘッドライトもつける
こともなさそうだしね。
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