◇ 左螺子式 ◇

私は、サッカーのことはよく知らない。

サッカー選手は頭突きを、暴力の常套手段として使うのかどうか、
そういうことも全く知らない。

Wカップ決勝戦でのジダンの頭突き攻撃、私も見た。

アレを見た時の第一の感想は「見事な頭突きだ！」ということ。

そして妙に晴れ晴れしい、気持ちになった。

退場するジダンに対して晴れ晴れしいとは、どういうことだ！と
言われるかもしれないが、そう思ったんだからしょうがない。

もちろん、ジダン、マテラッツィ、二人の間にどんなやりとりが
あったのかわからない。言った言わないの文言を探る動きがメディア
にもあるが、それは無粋というものだろう。

引退最後の大勝負、それもWカップの決勝戦、同点である。

そして、世界中が見ている。

これだけの舞台が揃っての、頭突きだ。最高の頭突きだろう。

私は別に暴力を推奨しているわけではない。あれがもし、蹴っただの
殴っただのしたら、最低の行為に見えただろうし。

頭突きにしたって、今回は相手の頭や顔ではなく胸部にきれいに当てた。
実に律儀で、サッカー選手らしい振る舞いに見えたのだ。
(相手が少々大げさに飛んだようにも見える)

相当頭にきたのだろうが、ゲーム継続可能なようにちゃんと配慮した
ようにも、私には見えた。配慮するなら、最初からやるなよ！と
いうことなんだけど、そういうことも瞬時は考えたようにも
見える(考えるような場面が・・)。だけど、やっちゃったんだよな。

あれ見て思うんだが、これが普通の試合だったとしたら、ジダンは
果たしてああいう美しい頭突きしただろうか、と思うのだ。

決勝戦ともなれば、相手チームもプロ中のプロということだ。
世界最高のプレーヤーと言ってもいい。

そういう相手に、こういう舞台で(何を言われたかわからないが)揶揄された
ことが、非常に情けなく、悔しく思えたんじゃないのかと。なので、
頭突き行為は、あの試合の持つ意味の大きさに関係があると私は
見ている。少なくとも彼には、今回そう思わせる土壌(引退とか)がある。

残念だが晴れ晴れしいというのは、そういう意味だ。
あの試合だから、やったと。
自分の引退試合で、単に、カッとなってやったわけじゃないだろう。(と思いたいね)

結果的にイタリアが優勝したが、良い落ちどころなのかなと思った。

ジダンがMVPを取って(全試合見なくても、投票はできるそうだ)、
フランスが勝っていたら、イタリアはいいとこナシだわな。

勝敗もPK戦で僅差だったので、フランスも落ち込むまでもなかろうし。

サッカー素人の邪推でした。

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